ピルの基礎知識

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ピルの基礎知識

ピルの処方にあたって内診を行う必要はありません。

ピルってなに?

ピル、OC、避妊薬…色々な言い方がありますが、すべて同じもののことを指しています。OCとは英語名Oral Contraceptivesの略称で、経口避妊薬のことです。一般的にピル、または低用量ピルといわれています。
日本では、”ピル”=”避妊薬”というイメージが強いようですが、現在では避妊目的以外で服用されている方が大多数を占めています。

ピルとは「黄体ホルモン」(プロゲステロン)と「卵胞ホルモン」(エストロゲン)という女性ホルモンを主成分とした錠剤のことで、現在では下記項目のように使用されています。

  • 生理のコントロール
  • 大人ニキビの治療
  • 避妊
  • 子宮内膜症の治療
  • 生理痛の軽減
  • 不正出血の治療
  • 生理異常の治療(生理が長い・経血の量が多いなど)

ピルは1日1回、1錠を毎日できるだけ一定の時刻に服用します。体内のホルモンバランスを継続的に整えることで、様々な効果を発揮するのがピルの役割です。

ピルはヨーロッパでは全女性の1/3が使用しており、ロンドンでは無料で配布しているほどですし、スウェーデンでは20~30代の80%が使用している、とても一般的なものです。

ピルを飲むと体の中では何が起こるの?

ピルに含まれる卵巣ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が血液中を循環します。すると脳の中の排卵中枢(視床下部・下垂体)が血液中に十分な濃度の卵巣ホルモンがあると認識するため、視床下部・下垂体が、「卵巣を刺激する必要がない」と判断し卵巣からの排卵が抑制されます。
「排卵」は子宮にとってかなり負担のかかる仕事です。子宮の病気(子宮内膜症など)はこの排卵をストップさせることで、かなり軽減できるため、治療の方法としてピルが選択されることも多くあります。

またピルによって体のホルモンバランスが一定するため、重い生理痛から解放されたり、男性ホルモン過多によっておこる大人ニキビを軽減することにも役立ちます。
薬を飲むこと=体に負担をかける、という誤解が多くあるようですが、上記の通り、ピルはむしろ女性の体の負担を最小限に抑えるための調整役となりうるものなのです。

ピルのメリット・デメリット

ピルの処方にあたって内診を行う必要はありません。

ピルのメリット

一般的に「避妊薬」という印象があるようですが、実際に避妊目的を第一に使用されている方はごくわずか。ほとんどの方は生理痛の改善や生理周期の改善、アダルトニキビの治療が目的です。
その他にも、ピルには様々な効果があります。

  • 生理周期を安定させ、決まった日に月経を起こす事が可能となり、仕事や旅行の調整も簡単です。
  • 月経量が約1/3程度に減る(ナプキンで約10枚分の減量)ため、月経痛のコントロールに優れ、結果的に、子宮内膜症の進行抑制や貧血の改善にもつながります。
  • 排卵抑制してホルモン変化をコントロールする為に、PMS(月経前症候群)の症状緩和につながります。
  • ピルの黄体ホルモン作用で、抗アンドロゲン(男性ホルモン作用)を有するために月経前ニキビ(アダルトニキビ)のコントロールに優れます。
  • 長期投与して結果、卵巣癌、子宮体部癌、直腸癌、リウマチ等の発症予防につながります。

これらのメリットは全て、EBM(エビデンス・ベースドオブ・メディスン)に基づいており、実証されたものです。

ピルのデメリット

一番多い心配は薬による副作用だと思いますが、飲み続けることによる身体的影響(妊娠できなくなる、太る等)はほとんどありません。むしろ毎日の生活を安定させるためには、ピルを服用するメリットの方がはるかに大きいと考えます。

一般的な副作用
  • 吐き気、頭痛、むくみ等のマイナートラブル

    これらは内服開始後1ヶ月以内に消失する事がほとんどです。

  • 血栓症(血液の固まりが血管を詰めてしまう病気)

    海外の文献等で発症するリスクが高くなると言われていますが、実際はピル内服者より、妊婦さんの方が数倍発症率が高くなります。
    妊娠した方で「血栓症になったらどうしよう・・・」と心配されている方はいらっしゃらないと思います。
    それよりも低い確率の副作用ですので、それほど過敏になる必要はありません。
    また、血栓症は大抵喫煙歴のある方に見られるものです。そのため、35歳以上で1日15本以上喫煙する方にはピルをお勧めしません。

  • 乳がん発症率

    最新のガイドラインでは、ピルの服用により乳がん発症の危険率が上がるという関連性はないとされています。ただ、乳がんを発症した方がピルを服用する事は避けなければなりません。
    (このため定期的な乳がん検診をおすすめしています。)

確かに人工薬剤であるので、副作用のリスクは100%無い訳ではありません。ただ、間違いなくピルの恩恵を受ける方が圧倒的多数である事は明白な事実です。

日本の女性はあまりにも間違った情報に左右され過ぎています。例えばフランスでは20~24才ので80%以上、25~29才で70%、30~34才で60%の女性がピルを使用しています。 年代に応じ、使用する避妊方法が異なり、ピルは特に若い年齢層に選択されていることが分かります。単なるイメージや間違った情報をうのみにして、ピルの有効性を試さないのはもったいないのではないでしょうか?